新しい DSD コンテナ .dst — 圧縮とアルバムアートを一つのファイルに
- siseong3
- 5 時間前
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三つの DSD コンテナと、それぞれ足りなかったもの

DSD 音源をファイルに収めるコンテナは、これまで実質的に二つでした。DFF と DSF です。収められる音は同じなのに、収められないものがそれぞれ違っていました。
DFF は DST のロスレス圧縮が使えるので、ファイルサイズを半分近くまで小さくできます。ところがタグを収める標準の場所がありません。曲名もアーティストもアルバムアートもファイルの中に入れられず、ファイル名に頼るしかありませんでした。
DSF はその逆です。タグとアルバムアートはきちんと収められますが、圧縮に対応していません。DSD64 の 1 曲で数百 MB、アルバム 1 枚で数 GB がそのまま積み上がります。
そこで新しいコンテナを用意しました。.dst は DFF の DST 圧縮をそのまま使いながら、ファイルの末尾に ID3v2.3 タグを付けて曲情報とアルバムアートまで収めます。圧縮とタグの両方が使える DSD コンテナです。DFF を読むプログラムは末尾のタグを読み飛ばすので、互換性の問題もありません。
DFF | DSF | .dst | |
DST ロスレス圧縮 | 可 | 不可 | 可 |
曲情報タグ | 不可 | 可 | 可 |
アルバムアート | 不可 | 可 | 可 |
おおよそのファイルサイズ | 圧縮時 約 50% | 100% | 約 50% |
倍率 | 制限なし | 制限なし | DSD64(SACD 規格) |
作り方 — エンコード

1) Pine Player Pro のフォーマット変換を開きます。
2) 変換したいファイルをリストに追加します。DSD(DSF・DFF)はもちろん、PCM(WAV・FLAC・ALAC など)も元ファイルとして使えます。
3) Format で DST(DSF with DST compression) を選びます。
4) 出力フォルダを決めて、Convert All または Convert Selected を押します。
5) Multi Tasking で同時変換数を指定できます。圧縮はコアを多く使う処理なので、複数を同時に走らせるとコアを分け合います。
元が PCM なら DSD64 に変調してから DST で圧縮し、元がすでに DSD なら音声データをそのまま移し替えてから圧縮します。どちらの場合も、元ファイルの曲情報とアルバムアートを引き継いでタグに収めます。
実測 — 29.7 秒の SACD 音源で 20,971,520 バイトが 10,269,578 バイトになりました(49.0%、約 2.04 倍)。所要時間は 8.3 秒で、実時間の 3.6 倍です。ロスレスなので展開すれば元とバイト単位で完全に一致します。
一点だけご注意ください。DST は SACD 規格上 DSD64 のみが定義されています。DSD128 以上を保管する場合は DSF か DFF をお使いください。
曲情報とアルバムアートを入れる

.dst のタグは Pine Meta Editor で編集します。タイトル、アーティスト、アルバム、アルバムアーティスト、作曲者、指揮者、ジャンル、ディスクとトラック番号、年、コメント、著作権、発行者、そして歌詞まで入れられます。アルバムアートは「Add from Image File」で画像ファイルから直接追加します。
アルバムをまとめて整理するときは、Copy と Paste でアルバム単位の項目を次の曲へ引き継ぎ、下の < > ボタンでプレイリストの前後の曲へ移動しながら続けて作業できます。右上の Playlist Index で今何曲目かがわかります。
アルバムアートは PNG と JPEG のどちらも入れられ、入れた画像は取り出したときにバイト単位で元と同じです。タグを書いても音声データには一切触れません。
再生する
.dst ファイルは Pine Player と Pine Player Pro でそのまま開けば再生できます。プレイリストに入れてダブルクリックするだけで、曲情報とアルバムアートもファイルから読み取って画面に表示します。
DAC へ DSD をそのまま送る DoP ネイティブ再生 にも対応しています。再生しながら圧縮をリアルタイムで展開し、1 ビットストリームをそのまま送り出します。途中で PCM に変換することはありません。SACD ISO のトラックと DST で圧縮された .dff も同じ方式で再生されます。シークや次の曲への進行も通常のファイルと同じように動作します。
ほかのプログラムで開く必要があるときは、変換で戻せます。.dst から DSF や DFF へ移す場合は展開して音声データをそのまま入れ直すだけなので、ロスレスでとても高速です。
まとめ
DFF は圧縮できてもタグが入らず、DSF はタグが入っても圧縮できません。.dst はその両方を取ったコンテナです。ファイルサイズは半分、曲情報とアルバムアートはファイルの中に、音は元とバイト単位で同じです。
SACD から取り込んだ音源や、自分で作った DSD を長く保管するつもりなら、一度試してみてください。



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